大阪地方裁判所 昭和44年(ワ)3962号・昭43年(ワ)7241号 判決
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〔判決理由〕第三、責任
一、被告合資会社
(一)、被告橋本に運転上の過失があるとの点を除き請求原因二の(一)の事実は当事者間に争いがなく、被告橋本に運転上の過失のあつたことは前記認定のとおりであるから、被告合資会社は、運行供用者(自賠法第三条)ないし使用者(民法第七一五条)としての責任を負担するものといわざるをえない。
(二)、ところで、<証拠>によれば、被告合資会社は、大阪市、東大阪市、堺市、守口市を事業区域とする一般乗用旅客自動車運送事業を営んでいたところ、合資会社組織では事業計画等の拡張による資金需要に応じられず、健全経営をはかれないため、株式会社に組織を変えて従前の事業を発展させようとし、被告会社を設立して、営業譲渡がなされることになり、昭和四二年二月一五日、「三洋タクシー合資会社」より「三洋タクシー株式会社」へ、前記運送業務およびこれにかかわる資産および負債の一切が譲渡され、その後、所管官庁によりその認可がなされ、被告合資会社は清算手続に入つたことが認められ、これに反する証拠はない。これによれば、被告会社は被告合資会社と同一の営業を継続し、会社の種類を異にするのみで、商号も「合資」と「株式」以外は変動がないのであるから、従つて、営業の譲渡を受けた被告会社において譲渡人の商号を続用している場合にあたるものと認められる。そうならば、被告会社は譲渡人である被告合資会社の営業の上生じた債務(営業上の不法行為によつて負担する損害賠償債務も当然に含まれる)である運行供用者ないし使用者責任に基く損害賠償債務を負担することになる(商法第二六条第一項参照)。 (吉崎直弥)